あわない寝具ってどういう事?
皆さんこんにちは、睡眠技研の西です。
寝具専門店での実務経験アリ、元睡眠環境寝具指導士がお届けするブログ、
『日々これ技研』
今回は「あわない寝具ってどういう事?」がテーマです。どうぞ!
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睡眠にお悩みの方からよく耳にする言葉
「寝具が合わない...」
寝具は毎日使うものだし、人の身体だから個人差や好みの違いがある。
道具として自分に合う、合わないの差が出てくるのも当然ですよね。
日々使用する中で身体に痛みが出るとか、眠りが浅い、疲れが取れない。
はたまた、理由はハッキリとしないけど、「何となく合わない」
そう感じる方も少なくはないでしょう。
あなたの「何となく合わない」の正体。深掘りしてみませんか!?
合わない寝具はみんなイヤですよね。もちろん自分に合った寝具を使いたい。
では合う寝具って一体どういうものでしょうか?
実はハッキリ答えが示されているんです!
1. 理想的な寝姿勢を保つこと!
人間工学の研究では、寝ている間も「立っている時と同じ背骨のS字カーブ」を維持することが、筋肉や関節への負担を最小にすることがわかっています。
簡単なイメージで言えば、あなたに自然な状態で立ってもらい、横から写真を撮ります。それを90度回転して寝かせてあげれば、
ハイっ!理想の寝姿勢、完成です!
(実際、私が寝具専門店で接客する際にも、まずお客様に理想的な寝姿勢を提示するため、この話をします。)
実は何気なく立っている時のその姿勢が、理想の寝姿勢なのです!
2. 体圧を適切に分散!
体圧分散というと近年ではもはや常識、マストな要素として語られますが、実際この分野での技術の進歩は凄まじく、メーカー側もここに最も注力して製品開発をしているのではないでしょうか。商品としての魅力を伝えやすい部分でありながら、体圧分散がしっかりされていると必然 寝心地も良くなりますからね!
睡眠科学の研究で、同じ姿勢で寝続けると血流不全から痛みや寝返りの増加。それが睡眠の質低下にまでつながると示されています。
長い時間眠る上で 特定の場所に圧が集中しないようにする。適度に寝返りがうてるように圧力を分散させる事が必要なのです。
3. 快適に感じる環境づくり
睡眠時の体温は、入眠のしやすさ、どれだけ深い睡眠ができるかに密接に関係してきます。
寝具と身体の間の空間、専門的には寝床内環境と呼ばれるものですが、日本睡眠科学研究所の定める理想的な寝床内環境は、
温度が約33℃前後。湿度50% 程度が最も快眠しやすい環境と言われています。
(寝具指導士のテストにも出ます!33度プラマイ1、50パープラマイ5 と念仏を唱えて覚えました汗)
おウチの寝具環境を数値で厳密に管理するのは現実的ではないと思いますが、理想は示されているので目安として なるべく近づくように、また外れ過ぎていないかを季節に合わせて整えてあげるのが効果的ですね。
4. 枕・マットレスの相性まで考えよう!
寝姿勢を支える上で大事な役割を担うのが枕とマットレスです。
この2つ、違うジャンルのアイテムのようで、実は体を支えるという意味では同じ敷寝具と言えるでしょう。それぞれ「首から上を支える枕」と「首から下を支えるマットレス」という役割分担の関係にあります。
具体的には、枕は頭の高さの調整と 首の隙間を埋めて支えを作る必要があり、
マットレスは身体の凹凸に合わせて沈み込み 自然な寝姿勢を保つ事、
体圧の分散と寝返りのしやすい適度な反発力が必要となります。
意外と別々に考えられがちですが、実際はセットで使うものなので相性問題も起こります。枕とマットレスの高さや硬さの不整合があると、頸椎角度が崩れ、いびき・肩こり・頭痛などを誘発する場合もあります。
近年、首だけでなく肩〜背中までのラインで支える設計の枕や、マットレスをカラダ枕と表現したり、枕・マットレスを一体としてみる考え方が普及しています。
「単品で選ぶ」より「全身のバランス」で選ぶ方が科学的だからです。
(私が寝具店の現場でお客様の診断をしてきた経験から見ても、枕の高さは併せるマットレスによって変わってくるので、理想の環境を目指すならば、先ずマットレスから見直す必要があるでしょう。極端な話、合わないマットに寝た状態で枕の高さをいくら最適化しても、それは合わない中でベターになったというだけで 根本的に合わない状態なのは変わっていないのです^^;
ネット上の正直なお声で「枕を買いに行っただけなのにマットレスを勧められた!」とお客様の悲鳴を聞く事もありますが実は理に適った提案なのです。こういった事がお客様に正しく伝わらず押し売りの様な不快感を与えてしまうのは、ひとえに現場の技術不足なので反省です。この辺りはややこしい話なので別の機会に詳しく発信したいですね。)
5. 個人差をどこまでカバーできるか?
1~ 4 の項目は先人方の研究である程度 理想が示されている内容です。
最後にどうしても無視できない要素は「個人差」ですね。
睡眠中の姿勢・体型・筋肉量・BMI・性別・習慣・クセなどで理想として求められる内容が変わってきます。こればかりは使う本人にしか答えがでない部分ではありますが、ポイントとして「万人に合う寝具」は存在しないので、やみくもに評判の良いものや 人気の製品をひたすら試していくよりも、はじめから自分に最適化された物を見つけていく方が近道ということは間違いないでしょう。
ハイグレードな製品では体型や寝姿勢に応じて科学的に最適化された寝具や
AIや体圧センサーを用いた測定で個別設計する、オーダーメイドの寝具も登場しています。
個人差も追求して良いものを求めたいのであれば、幅広い層をターゲットに据えた汎用品よりも、パーソナライズされた製品の方がより柔軟な対応で個人差をカバー出来るでしょう。
まとめ
あわない寝具とは = あう寝具の逆の状態である
理想の寝具は『背骨の自然なラインを保ち、体圧を分散し、寝床内の温湿度を快適に保つモノ』
つまり、「硬さ・高さ・素材・通気性」が「あなたの体型・姿勢・スタイル」に最適化されているという事です。あわない場合は そうなっていないという事ですね!
あなたのあわない理由を探ろう!
チェック1.
寝姿勢が崩れていないか?立ち姿勢に近いか?
自然な立ち姿勢こそ、理想の寝姿勢
枕の高さがあっていない→肩こり・首痛・頭痛
(頭が上がり過ぎ、下がり過ぎ、首に隙間など)
マットレスがあっていない→肩こり・腰痛
(柔らか過ぎて腰が曲がる くの字、硬過ぎて反り腰・ウエストに隙間。仰向け寝が出来ないなど)
チェック2.
過度な体圧が掛かっていないか?
枕の後頭部に圧を感じる
寝返りしにくい
寝姿勢時に違和感がある。キツい、圧を感じる(何も感じないのが理想の状態です)
チェック3.
暑すぎ・寒すぎ・ムレすぎになっていないか?
季節に合わせて最適な寝具を選ぶ。冷感系、吸湿発熱系
通気性・吸湿発散性の高い素材(ラテックス、通気構造のあるウレタン、天然繊維のカバー)
ムレないことが快眠のカギ。
眠りに特化したパジャマの着用。お部屋の光・音・香りの工夫
チェック4.
あわないのは枕? マット? それとも両方?
枕・マットは相性があるのでセットで考える。マットが変わると必要な枕の高さも変わる。
合わないマットだと枕も合わない場合がほとんど。
先ずはマットを疑おう。問題なければマットに合わせて枕を最適化してあげよう。
チェック5.
個人差によるお悩みなら、解決に必要な情報を集めてみる。
・寝具の専門店や経験あるスタッフに相談してみる。
(専門店はムダに格式高そうな雰囲気で入りづらいとのお声も頂戴しますが(^^;;コンサルティング型の接客で、より個人に向き合った対応を行うスタッフがたくさんいます。気軽に相談から来店いただいて全く心配ありませんよ)
・おすすめ!LINEで無料相談
→ 寝具専門店で実務経験のある、手の届く筆者こと 私、睡眠技研の西。
なんと!LINEのトーク画面から無料でご相談いただけます。

お客様がどんな事にお悩みか聞かせていただきたいので、ぜひ気軽にご相談ください!
以上。
今回は「あわない寝具ってどういう事?」をテーマにお届けしました。
皆さんの何となく合わないの正体。見えてきましたでしょうか?
今後も眠りに関する情報をお伝えしていきます。
引き続きよろしくお願いします。
睡眠技研 西